『地方創生』を支える『地域』と『人』
転換期のまちづくりへ、秋元市政が始動
4月12日に行われた統一自治体選挙を経て、議会・市長ともに5月2日から新しい任期となりました。5月18日の臨時議会で鈴木健雄議長(自民党)恩村一郎副議長(民主党・市民連合)を選出し、6月24日に召集された第2回定例市議会で、秋元克広新市長から施政方針が示され、合わせて公約実現への一歩となる肉付け(補正)予算が提案されて、秋元市政が本格的にスタートしました。
転換期のまちづくりへ、秋元市政が始動
4月12日に行われた統一自治体選挙を経て、議会・市長ともに5月2日から新しい任期となりました。5月18日の臨時議会で鈴木健雄議長(自民党)恩村一郎副議長(民主党・市民連合)を選出し、6月24日に召集された第2回定例市議会で、秋元克広新市長から施政方針が示され、合わせて公約実現への一歩となる肉付け(補正)予算が提案されて、秋元市政が本格的にスタートしました。
私は6月29日、会派を代表して、市政の基本方針に関わる6点を含め9項目について質問しました。
地方創生戦略とは何か
国は昨年11月、少子高齢化の進行と人口減少に対応するため「まち・ひと・しごと創生法」制定し、地方自治体に対し、今年度内に地方版「人口ビジョン」「総合戦略」を策定するよう求めています。
しかし、地方の課題の解決を地方の手にゆだねるとしながら、市町村は国及び都道府県の「総合戦略」を勘案することとされ、交付金の配分は国が決定権を持っておりその基準も明らかにされていないなど、その手法は極めて中央集権的であり、責任だけを地方に丸投げするものであるとの批判が出されています。
そもそも、地方都市の人口減少と高齢化は70年代から始まっており、人口減少が続いても住む人々はその地に生き続けているという事実から目をそらすことは許されません。
札幌市では既に、人口減少社会と超高齢社会を見据えて、2年間にわたる議論を経た上で「札幌市まちづくり戦略ビジョン」を策定しており、「創生法」に右往左往することなく、「ビジョン」の方向性に沿って「(仮称)札幌未来創生プラン」の策定を進めることになります。
札幌の未来を占う4年に
大きな転換期にあるこれからのまちづくりは、引き続き厳しい財政状況の中にあって、予想される困難な課題にしっかりと向き合い、事業の取捨選択はもちろん、上手に小さくして質を高めるような「新たな創造」への知恵も絞る必要があります。
一斉に更新時期を迎える公共施設や、冬季五輪招致を見据えたスポーツ施設、地域の交流拠点の計画的な整備が求められるのと同時に、人口減少時代の中にあっても、国内外から多くの人が集まり活発に活動する魅力的な街であり続けることが求められます。
秋元市長と市政の課題について意見交換 |
秋元市長は、そのためには「市民感覚」を大切にした行政運営を進めることが重要であり、「時間の許す限り地域に出向き、対話の機会を設けていくとともに、職員にも市民の声をしっかりと聴くことを徹底する」と、上田市政12年の中で培われた『市民自治』の理念をしっかりと引き継いでいく決意を明らかにしました。
年内に策定される新しい中期実施計画「(仮称)札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン」は、10年後、20年後の未来を見通し、その土台となるものにして行かなければなりません。
北海道との連携強化
上田市政の時代、その政治手法の違いや経済界の思惑から、高橋はるみ道政との折り合いの悪さを指摘され続けました。長年、道州制や大都市制度の在り方などについての議論が続けられてきましたが、私たちの願いである「地域主権改革」へと更に歩みを進めていかなければなりません。
石狩圏の自治体間の広域連携や旭川市、帯広市、釧路市、函館市など中核市との協力関係を積極的に進めた上田市政に対し、「何もしない知事」として道内自治体の首長からの批判も多かった高橋道政。ようやく軌道修正に踏み切った感があります。
秋元市長は、施政方針の中で「道都として北海道活性化の推進エンジンの役割を果たしていく」としており、今後、住民サービスの充実や行政の効率化の観点はもちろん。経済、雇用、子育てなど直面する課題について、中・長期的な視点での政策形成につなげていくことが求められます。
新たな教育委員会制度
滋賀県大津市におけるいじめ事件がきっかけとなり、いじめ等の問題への対応の迅速化や責任体制の明確化、首長との連携強化を目的として法律が改正され、今年4月から新しい教育委員会制度に移行しました。
新制度では、教育委員長と教育長を一本化して、市長が教育長を直接任命すること、市長と教育委員会が、教育行政の大綱や重点施策について協議調整を行う場として、市長が主宰する統合教育会議の設置が定められています。
旧制度においても、国旗・国歌の強制や特定の教科書採択など、首長の過剰な介入が問題となった例があり、文教族と呼ばれる国会議員の政治的圧力が取りざたされるなど、市長の教育政策への関与が大きくなり、市長が変わるたびに教育政策が変わるのではないかとの懸念が消えません。
札幌市の教育委員会はこれまで、それぞれの委員の立場と見識のもと、公正かつ活発な議論によって市民の負託に応えてきました。
秋元市長のもと、引き続き教育の中立性、継続性、安定性を確保し、教育委員会の独立性が尊重され、子供、保護者、地域住民、教員など多様な声が反映されるよう、取り組みを進めます。
若者・女性の雇用対策
平均賃金は低下を続け、非正規雇用の割合は増加し、労働基準法を無視するブラック企業と呼ばれる存在が問題になるなど、雇用情勢は改善に向かっているとはいえ、多くの労働者は景気回復の実感を持てないのが現実です。
札幌市は昨年度から、新卒の未就職者を正社員に結び付けるための「フレッシュスタート塾」を行っていますが、北海道では新規学卒者の離職率が高く、就職後3年以内の離職率は、大卒で38.2%、高卒では50.5%にもなっています。
職場定着を高めることは、本人、企業さらには社会全体にとっても重要であり、就職率を高めるためのきめ細やかな支援と共に、職業観の涵養など研修内容の充実が求められます。
また、札幌市は政令市の中でも女性の有業率が低く、特に20歳から39歳までの未就学児を抱える女性では、37.4%と、政令市平均の44.4%を大きく下回っており、就職を希望しながらもかなえられない女性が多い現実があります。
子育て女性の多くは短時間就労を希望し、企業はフルタイムの採用を求めるといったミスマッチや、再就職への不安の解消など、子育て女性のニーズに合わせた取り組みが必要とされています。
秋元市長も選挙戦の中で訴えたように、「女性の結婚、妊娠、出産などが働くことの障害にならない社会をつくる」ことは、すべての女性の切実な願いであり、私たちが目指す理想でもあります。
手話条例の制定を
障害者を取り巻く環境は近年大きく変化し、2014年1月に「障がい者権利条約」が批准され、来年4月1日には「障がい者差別解消法」が施行されます。この法律は、国や地方公共団体などの行政機関や民間事業者に対して、障害を理由とする差別の禁止や、社会的障壁いわゆる「バリア」の除去についての取り組みを義務付けています。
このように共生社会実現に向けた取り組みが進められる中、手話を言語として位置づけ普及を目指す「手話言語条例」を制定する自治体が増えてきています。
全国初の条例は、13年10月に鳥取県で施行され、隣の石狩市では道内初、全国の市町村でも初となる「手話に関する基本条例」が14年4月1日に施行されるなど、手話など障がい者のコミュニケーションを支援・促進するための条例制定は、3県15市町村に広がっています。
札幌市議会をはじめ全国の自治体で「(仮称)手話言語法の制定を求める意見書」が可決されていますが、国の法制化は遅々として進みません。条例の制定に向けて当事者の皆さんと共に検討を進めるとともに、障がい者の権利に基づいた「完全参加と平等」を目指し、一歩ずつ歩んでいきます。
地域コミュニティの活性化
市内には2209の町内会・自治会があり、まちづくりの様々な分野で欠かすことのできない活動主体として、地域コミュニティの中核を担っています。
しかし、町内会の加入世帯はここ数年約3000世帯ずつ増加しているものの、それを上回るペースで核家族化や単身世帯が増加することによって加入率が年々低下し、2015年1月時点では、かろうじて70%を維持しているのが現状です。
また、地域での取り組み課題が増える中で、高齢化や地域のつながりの希薄化などによって、担い手不足が深刻になっています。
今後ますます多様化、複雑化する社会を支える基礎となる地域コミュニティを活性化するためには、不動産業と連携して、アパートなど賃貸共同住宅入居者の加入促進を図るとともに、環境、福祉、子育て支援などを通して、地域で幅広く活動するボランティア団体やNPO、企業を含め、昼間の地域住民ともいえる人々が、それぞれ得意とする分野で力を発揮しながら、お互いに協力し合う関係を創ることが重要になってきているのではないでしょうか。
一票差で否決
安全保障関連法案の廃案を求める意見書
▪安倍強権政治にNOを‼
第二回定例会最終日の7月17日、民主党や共産党などで共同提出した意見書案は、残念ながら自民党、公明党の反対により否決されました。会派を代表して峯廻幹事長が、「戦後70年もの間、憲法9条にもとづき『集団的自衛権は行使できない』としてきた歴代内閣の憲法解釈を、時の内閣の一存で勝手に変更することは断じて認められない」として要旨以下の討論を行いました。
●武力行使の新3要件は、1972年の政府見解と照らし合わせても、真逆の結論を導き出しており、「最終的には時の政府が判断する」のであれば、全く歯止めにはならない。
●国民の理解を得ると言いながら抽象的な答弁に終始しており、法案そのものの危険性や曖昧さが、明らかになってきている。
●衆議院での審議時間が100時間を超えたとしているが、1法案ではわずかに10時間に過ぎず、繰り返しの答弁が多く、審議の中断は100回に及ぶ。
●安全保障をめぐる国際環境の変化が、外交や個別的自衛権で対応する限度を越えていることの説明はなく、ただ「脅威」をあおっているに過ぎない。
●戦後日本は、大きな犠牲を出した先の大戦の反省にもとづき専守防衛を柱にした安全保障政策を構築してきた。それを数の力で踏みにじる暴挙は、立憲主義と民主主義を冒涜するものである。
国際政治に疎い独善的な思い込み。相手へのレッテル張り。マスコミ報道への介入。中国・韓国をことさら刺激する言動。近現代史に関する無知。世論に背を向ける頑な態度。
安倍チルドレンと称される若手議員の妄言・暴言は、このような「アベノリスク」とも称される強権的かつ挑発的な政治手法が生み出しているともいえます。
学者・文化人をはじめとして、大学生、高校生、子育て中の母親へと、「戦争法案」反対の声は大きく広がっています。
「日本を取り戻す」のではなく「民主主義を取り戻す」。正念場を迎えます。
新体制でのスタートです
民主党・市民連合は、改選前から2議席を減らし、21名でのスタートになりました。
建設委員会で福井駅再開発を視察 |
新役員は以下の通りです。
会 長 大嶋 薫(西 区)
副会長 藤原 広昭(東 区)
〃 三宅 由美(南 区)
〃 桑原 透(清田区)
幹事長 峯廻 紀昌(豊平区)
副幹事長 村上 裕子(中央区)
政審会長 長谷川 衛(中央区)
副政審会長 林 清治(東 区)
〃 中村 剛(西 区)
*副議長 恩村 一郎(清田区)