「民主党さっぽろ」第807号 議員リレーエッセーから
上田文雄市長は年頭の職員への挨拶の中で、今年目標とする1字として「耕」を示しています。創造都市さっぽろを耕し、札幌の都市力を北海道の発展につなげたいという思いとさらに、自分自身を「耕す」意味も込められているということです。
私が最初に市議選に挑戦した時のキャッチフレーズが「暮らしを耕す時代です」でした。
原発の運転開始を巡って「道民投票条例」制定運動など激しい攻防があった時代。
既に「成長神話」はかげりを見せ、環境と高齢化社会が将来への大きな課題とされていたように記憶しています。
「スモールイズビューティフル」なんて流行語もあったでしょうか。
「地域」に根ざし、自らの生活スタイルを変え、共生社会へと歩みだす。そんな思いを「耕」に込めたのです。
それから四半世紀、民主主義の大きな柱の一つである政党政治が激動を続ける中で、「劇場型」と呼ばれるポピュリズム(大衆迎合)型政治が喝采を浴びる現実を前にしています。
現状への不満、将来への不安に正面から応える危険(=正道)を巧妙に回避してなお主役を演じたい政治家は、身近にわかりやすい敵を作り出し成敗して大見得を切り、観客(有権者)はそれだけで溜飲を下げすべてが解決されたような錯覚に陥るという仕掛けです。
私たちは、上田市政を支え共に歩みながら、まちづくりの原点である「市民自治」を育み、未来へとつなぐ努力を積み重ねてきました。
永田町でどんな暴風雨が吹き荒れようと、そして逆風に後退を余議なくされようとも、一観客に甘んずることなく、それぞれの出番のある舞台(政治)を創り上げていかなければなりません。
「小泉劇場」「橋下劇場」 を超えて、これまで培われてきた民主主義の土壌をさらに深く耕し、自らを耕す一年でありたいと思います。