2012年10月11日木曜日

薫風36号

薫風36号から 

混迷する政局と「決められる政治」 

札幌市議会議員 大島かおる

「一体改革」を巡って混迷する政局と、泊原発の休止による電力不足を想定しての節電要請、竹島や尖閣諸島の領有権問題でヒートアップする愛国パフォーマンス、そしてロンドンオリンピック。皆さんそれぞれに熱い(暑い?)夏を過ごされたことと思います。

お盆を過ぎて続く真夏日と寝苦しい夜、政局もこのお便りが届くころにどうなっているのか全く見当がつきませんが、社会の大きな転換点にあるこの時代に、皆さんからの負託を受けて議員として活動させていただいているという自覚を失わずに、歩みを進めていきたいと決意を新たにしています。

生活保護バッシングが意味するもの

お笑い芸人の母親が生活保護を受けていたことが国会の質疑にまで取り上げられて、バッシングの嵐が吹き荒れました。そして、家族の扶養義務の徹底と不正受給の取り締まり強化による保護費の削減、さらには、支給水準の切り下げという乱暴な主張が一部でまかり通っています。

一方、生活保護費が年々増加しているのは、非正規労働者の拡大と企業によるリストラ、不十分な年金制度などの社会的要因であること、自立や就労支援策を欠いた現在の生活保護制度の抜本的な見直しについては繰り返し指摘されてきました。部分だけを切り取ってバッシングを繰り返し、それが正義であるかのように振る舞う「ハシズム」政治の本質がそこに現われているといえます。

一体改革─複雑な方程式

社会保障と税の一体改革に厳しい批判が集中しています。「増税の前にやることがある」「景気を何とかして欲しい」「社会保障を後回しにした食い逃げ増税だ」というのが、代表的な例でしょうか。

これまで日本の経済成長を支えてきた産業が、経済のグローバル化の荒波の中で力を失っており、産業構造の転換が必要とされていること、貯蓄率世界一といわれる日本で消費が伸び悩むのは、将来の社会保障への不安が大きな要因を占めていることに異論はないと思います。

さらに、雇用は正規雇用を柱とする永年勤続型から、既に労働者の3分の1が非正規雇用に。20年後の年金は、騎馬戦型から肩車型にと、社会構造そのものが、旧来のモデルでは対応不可能な時代になっています。

所得税最高税率の引き上げや証券取引税の創設など、消費税以外の見直し、行財政改革によるムダの削減は当然に引き続き取り組まなければならない重要課題でしょう。年金・医療・介護・子育て支援などは、旧来のように家族主義を前提とするのか、社会が責任を持つ新たな制度へと転換を図るのか、議論はまだ大きく分かれています。そして、これらすべての答えが出揃わないと駄目だというのであれば、衆参両院で過半数を占める政党が出現するまでまた先延ばしということになってしまいそうです。

「決められる政治」とは何か。原発とエネルギー問題も含めて、私たちが囚われ、支配されていた様々な常識を、一度スッパリと脱ぎ捨てる必要がありそうです。

東日本大震災

復興への歩みは今

巨大な津波の破壊力と、いまだに収束の道さえ見えない原発事故。その記憶は今、ロンドン五輪の熱狂の中でかき消されそうになる。

大震災から1年を経て、テレビ・新聞は一斉に「がれきキャンペーン」を開始した。「広域処理」に協力しない自治体は「復興支援に後ろ向き」とまで決めつける乱暴さは、大量の放射能をバラまいた責任、放射性廃棄物管理の原則を棚上げして、自治体間と国民に分断と不信を持ち込んでいる。

それぞれの被災地で始まっている新たな歩み。
マスコミ報道からだけではわからない「いま」を確かめに、7月11日から3日間、同僚議員7人と共に、札幌市と同じ政令都市である仙台市、町の中枢機能を失った宮城県北部沿岸地域、札幌市が職員を長期派遣している山元町を訪問した。

大都市の底力 仙台市
仙台市震災復興計画」は昨年11月に策定を終え、一日も早い復興を目指し、そのことにより東北全体の復興を牽引するとして、計画期間を2015年度までの5年間としている。

①減災害を基本とする防災の再構築
②エネルギー課題等への対応
③自助・自立と協働・支え合いによる復興
④東北振興の力となる経済・都市活力の創造─という四つの方向性のもとに、市街地宅地再建、生活復興、海辺の交流再生、震災メモリアルなど10の復興プロジェクトが進行中である。

震災廃棄物(がれき)の処理については、3月15日に仮置き場開設、3月30日搬入場受け入れ開始、10月1日仮設焼却炉稼動と、「発災から1年以内の撤去、3年以内の処理完了」を目標として進め、撤去は今年3月に終了している。

また、仮置き場への搬入時に、可燃物、不燃物、資源物に粗分別し、搬入場でさらに10種類以上の分別を行うことで減量を図り、リサイクル率50%以上を目指すという。

このような取り組みによって、今年7月から、石巻市周辺の可燃物約10万トンの受け入れを開始する。焼却灰の放射能濃度は、主灰で97〜260ベクレル、飛灰で300〜1380ベクレル(いずれも1㎏当たり)とのことである。

一方、若林区、宮城野区の1706戸、約4700人を対象とする防災移転促進事業は、被災地最大の移転事業であるが、農業再生の柱である国営圃場整備計画を早期に開始するとして先行して進められている集団移転の対象者は、ローンの返済や将来の営農形態への不安からなかなか決断ができないでいる。

また、集団移転対象地域の世帯は、新築はできないが、改修は許されている。住宅改修に行政からの支援はないが、多くの世帯が自力で自宅を修理して住み始めている。

住み慣れた家や生活の糧になってきた田畑から離れたくない、という願いとどのように折り合っていくのか、課題は残されたままである。
内陸部の古い住宅団地では、地震によって擁壁が崩れて大量の住宅が損壊したが、費用負担をどうするかで宅地再建の目途は立っておらず、早急の対策が望まれている。

市民力が創る希望 北部沿岸地域
2日目は、「みやぎ女性復興支援ネットワーク(みやぎジョネット)」草野祐子代表の説明・案内で、生活再建に向けて歩む女性たちを訪問し、その活動について伺った。

「みやぎジョネット」は仙台市に事務所を置き、各地でサロンを開いて女性のさまざまな悩みに寄り添い、支援する活動を行っている。

石巻市
北上川のほとりにある「一般社団OPENJPAN」は、日本全国にネットワークを持つ個人や団体の集まりで、震災直後に、南部にある集会所を拠点に活動を始めた「ボランティア支援ベース絆」が母体となっている。

活動の一つである「サンライス元気村」プロジェクトは、仮設住宅に住む一人暮らしの高齢者に、お米と寄付金とともに預けられたメッセージを届けるものだ。

石巻市では約7,200世帯が仮設住宅に住み、1000を超える世帯が高齢者の一人暮らし。
そのうちの約300世帯を毎月訪問している。単なる安否確認にとどまらず、声を掛け合ったり、信頼関係を築くきっかけにもなっている。

案内していただいた「NPOスマイルシード」の黄本富士子さんは、この団体の支援も受けながら、閉じこもりがちな仮設住まいの人たちに「笑顔の種をまこう」と、自然学習や、音楽、料理などのワークショップを行い、心のケアと同時に新たな人のつながりを創り出している。

女川町
女川湾を一望する高台「輝望の丘」にある小さな喫茶店「おちゃっこくらぶ」を訪ねる。
一人で切り盛りする女性は、港の近くでダイヴィングショップを営み、地域の交流の場にもなっていた。

町の公募に応じて昨年7月にオープンしたこの場所は、女川町を訪れる人の案内所的な役割も果たしている。「コンテナ村商店街」は、寄付されたコンテナを利用して昨年7月1日に開設された。その後木製のデッキを取り付けてリニューアルし、9軒が寄り添う、まさに手作りの商店街である。

「フラワーショップ花友」店主の鈴木千秋さんは、津波ですべてを失い営業再開をあきらめていたが、「こんなときに何もしなければ将来きっと後悔する。大学を辞めて花屋を継ぐ」と決意の固い娘さんに背中を押されたという。

津波で犠牲になった遺体に、たむける花の1本も無く悲しい思いをしたこと、賃金の高い復興関連の公共事業に人が流れがちであること、全国から寄せられる支援物資はありがたいが、地元の商店としては複雑な思いであることなど、さまざまに交錯する、被災地に生きる人々の生の声を伺った。

南三陸町
ガレキは撤去され、荒涼とした中心市街地の一角で進められている植栽プロジェクトを、少しだけお手伝い。

「みやぎジョネット」のトレーラーハウスと移動式トイレが2基備えられ、ゆくゆくは地元の人たちの交流の場所にしていきたいとのことだ。約40㎞離れた加美郡色麻町の加美農業高校の生徒が定期的に通い、地元の女性も参加して取り組まれている。
あいにくの悪天候だったが、一緒に花を植え終えると、華やいだ気持ちになり、元気が出てくるから不思議だ。

仙台市宮城野区
米作農家の庄司恵子さんは、家は全壊を免れたものの農業再開のめどは立たず、趣味を生かし、端切れを利用して袋物を製作する手工芸サロン「つぎはぎすっぺっ茶」を主宰している。

住宅再建までは寝泊りしていたという蔵が、仕事場兼事務所である。周りには、同じように農業の経験しかなくて仕事を探すことが困難な女性が多く、また、ボランティア参加者の口コミで注文も増え、今では10人ほどが製作に励んでいる。

まちを創り変える 山元町
仙台市から南に車で約1時間、太平洋に面し、温暖な気候を生かした農業を基盤とする山元町は、沿岸部を縦貫する常磐線と周辺住宅地域が全壊し、農地面積の約60%が冠水するという大きな被害をこうむった。

とりわけ、特産のイチゴ農家は129戸中125戸が被災、水田の69%が冠水し、今年も作付けはまったく行われていない。

札幌市は全国市長会からの支援要請を受けて、昨年5月から、土木・建築、税務、産廃処理などの分野で延べ50人の職員を派遣すると共に、都市計画部長が復興本部会議に参与として参加して復興計画策定の実務を担ってきた。

今年4月からは、より施策に深く関与し、政策立案と事業の継続性を図るため、課長職1名、係長職1名(それぞれ派遣期間2年)、職員4名(派遣期間1年)が派遣され、復興計画実現の中核を担うことになる。

人口減少と高齢化が進む山元町の復興計画は、JR常磐線の内陸部への移設と、新駅を中心とした新たな市街地形成(コンパクトシティ化)が柱となっており、派遣職員は、これまで札幌市のまちづくりで培った力を十分に発揮すると共に、その貴重な経験が、今後の札幌市の防災計画や「安心のまちづくり」に活かされることを期待したい。

なお、被災自治体では職員の不足が指摘されているが、山元町には、他に宮城県、横浜市など全国11の自治体から、計24名の職員が派遣され、町民と共に汗を流している。

高齢化率31・6%で人口減少が進む町は、震災により一気に2,500人の減少を記録した。いちご団地の造成や水田の塩害除去事業が進められているが、働き手の確保が今後の大きな課題となるだろう。

また、2016年度の目標値で、新市街地における住宅団地の分譲率が50%、応急仮設住宅の退去率は50%と見込むなど、住宅再建にはなお時間がかかることが予想されている。独自の支援策が求められるほか、災害危険区域に指定された約2700世帯のうち、約3分の1弱が公営住宅への移転を望んでおり、将来の財政負担が危惧される。

復興公営住宅の建設や移転計画、港湾設備などの復旧は進んでいるように報道されているが、ガレキは撤去されたとはいえ荒涼たる風景を目の前にすると、日常の生活を支えるコミュニティの再生は、遠い道のりであるように感じる。

これまでの生活のすべてを奪われた多くの人たちが、避難所生活から仮設住宅へ、そして新しい生活拠点へと、長年住み慣れた地域や人とのつながりを断ち切られ、大きな不安を抱えながら暮らしている。ひと口に「絆」といわれるが、新しい人のつながりを創り、希望をつなぐさまざまな取り組みが求められている。

とりわけ被災地の多くは、過疎化と高齢社会化が同時に進行している。震災復興の歩みの中で、孤立しがちな高齢者が取り残されないよう、持続的な支えが必要に思われる。

また、各自治体の復興計画が本格的に動き出すことにより、巨額の復興予算の行方が注目されている。それぞれの被災地の実態に合わせた事業計画となっているのか。

さらにはハード面だけではなく、NPOや市民団体によって寄り添うように続けられている活動を支える予算はどうなっているのか。全体像をしっかりと見ていく必要がある。

2012年8月2日木曜日

ふれあい夏祭り開催

毎年、恒例の「納涼ふれあいIN西区」が7月28日に開催されました。
暑い中、大勢の参加者が集まりました。
大島後援会も議員と川野後援会長を囲んで、ビールと焼き肉に舌鼓でした。
議員と川野後援会長を囲んで皆さんのお顔が赤い。

事務所から暑中お見舞い

皆さん、暑い日が続いています。
でも、夜間になりますと 涼しい風が入ってきます。
北海道らしい夏ではありますが、昼間の炎天下ではやはり日差しが厳しいです。
くれぐれも熱射病や日射病にならないように、こまめに水分を摂取した方が良いですね。
体力が消耗する季節ではありますが、元気に夏を乗り切って、秋の収穫時期には、おいしい物をたくさん食したいですね!!

2012年3月29日木曜日

薫風 35号

大島かおるの市議会リポート

一人ひとりが新たな「希望」を生み出す年に

復興が「希望」へとつながるように

厳しい寒さもようやく緩み、雪解け、旅立ちの春が訪れようとしています。そして、東日本大震災、福島原発事故から一年。マンパワーの不足、進まないガレキの撤去、放射能汚染の広がりなど、復興への歩みが遅々として進まない中で、被災地に住む人、避難生活を送る人にとっては、「希望」への更なる一歩を踏み出すことができるかどうかが問われる春でもあります。

 東北の被災地は、これまで「成長」や「繁栄」から取り残された地域であると思い込まされてきました。大震災の報道によって、豊かな自然の恵みの中で生き続け、家族や地域を大切に生きてきた彼らの日常に、改めて気づかされた方も多いと思います。また、「成長」と「繁栄」の象徴であった原子力発電所の大事故による放射能汚染が、地域を分断し、復興への足かせになっていることに、怒りと苛立ちを感じています。

何よりも、生活と雇用の再建を急がなければなりません。そして、復興が単に元に戻ることではなく、新たな社会を創り出す「希望」と重なるよう、この一年の歩みをしっかりと振り返り、次の一歩をより多くの人たちと共有していきたいと思います。

「成長神話」を問い直す


昨年11月、ブータン国王夫妻の来日を機に大きな話題となった言葉にGNH(国民幸福度)があります。これまで経済的な豊かさや成長の指標として使われていた、GDP(国内総生産)やGNP(国民総生産)に代わるものとして、注目され始めています。また、千葉大学の広井教授による全国自治体アンケートでは、今後の地域社会や政策の方向性に関する質問の回答として、「可能な限り経済に拡大・成長が実現されていく」が11・2%に対し、「拡大・成長ではなく、生活の豊かさや質的充実が実現される」が72・2%との結果が報告されています。

20年前、バブル経済の崩壊を経験した私たちは、リーマンショックや最近のアメリカ、ヨーロッパの経済不安を前に、ようやく「成長神話」から解き放たれようとしているのではないでしょうか。とはいえ、現代社会はまだまだ、「市場」と「競争」の中であえいでおり、その分け前をめぐって右往左往しているのも現実です。「支え合い」そして「分かち合う」社会へ。鍵を握るのは、市民一人ひとりの力にほかなりません。

「創造」への一歩を

上田市長は、第1回定例市議会の提案説明にあたり、「今回の災害を受けて、私たちは改めて、人が人を支える力の強さを認識した」として、「人と人との支え合いの心、すなわち『人の和』を生かす市民自治をさらに充実する」と述べ、「札幌に潜在する魅力を引き出し、創造性豊かな人材を育む『創造都市さっぽろ』への取り組みを広げ、経済の活性化にもつなげる」との所信を明らかにされました。

今年の干支は、壬辰です。「壬」には「草木の内部に新しい種子が宿る」という意味があり、「辰」は、十二支の中で唯一架空の動物である「龍」に通じていますが、「動いて伸びる」ことを意味しているとされています。干支にあやかるわけではありませんが、時代の変革を先取りする一年でありたいと願っています。

第一回定例会

代表質問から

まちづくりへの新たな一歩

来年度予算は、上田市長三期目のマニュフェストを実現するために策定された「第三次札幌新まちづくり計画」「札幌市行財政改革推進プラン」の第一歩を踏み出すものとして、提案されました。

8522億円の一般会計予算は、前年比で実質0・3%増となっているものの、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療会計などへの繰出し金(仕送り)は、引き続き増加傾向にあり、地方交付税に占める新たな借金(臨時財政対策債)の割合は、大幅な増加となっており、将来の見通しは依然として厳しいものがあります。

一方、保育所定員の拡大や認可外保育所への新たな支援、児童クラブ開設時間の延長などの子育て支援、特別養護老人ホーム整備や障がい児の通学支援などの福祉施策、食・バイオ関連施設の整備や「札幌コンテンツ特区」事業への支援などの経済対策、新エネ・省エネ機器導入への補助や再生エネルギー導入、環境都市札幌への取り組みなど、新たなニーズに積極的に応えていくことが求められています。

このような中、引き続き見込まれる128億円の財源不足のうち、行財政改革プランによって102億円(うち受益者負担の見直しなどで9億円)、財政調整基金の取り崩しで26億円が補填されることになります。税収の伸びなど歳入の増加が見込めない中で、安定した市民サービスを行うためには、行政の効率化や経費の削減に引き続き全力で取り組むことと併せて、札幌市が単独で実施している事業や利用料の軽減策についても、最小限の見直しを図っていく必要があります。

働く仲間の安心のために

公契約条例
景気の低迷が続く中、公共事業の入札においても低価格競争が続き、そのしわ寄せが賃金の引き下げなど雇用条件の悪化につながっていることは、繰り返し指摘されてきました。また、現業部門の民間委託化や指定管理者制度が、事業の効率化を目的にしながらも、コスト削減のみが優先され、いわゆる「官製ワーキングプア」をうみ出しているとの批判も受けています。

これらは、雇用不安や労働意欲の低下を招き、地域経済の健全な発展にも影響を与えかねないとの考えから、私たち民主党は、以前から「公契約条例」についての勉強会を積み重ね、その制定を求めてきました。

上田市長は「市が発注する工事などの請負や業務の委託契約、公の施設の管理に対する管理の協定、すなわち公契約に関して、これらの作業に従事するものの適正な労働環境を確保し、事業の質の向上を図り、市民が安心して働き、暮らすことのできる地域社会を実現する」とし、「低落札、低賃金がもたらしている『負のスパイラル』を絶つ」と、提案に当たっての強い決意を示しています。

経済界からは反対や懸念の声が出されていますが、地方発で、公正で安心の社会を実現する大きな転換点を創り出していきたいと思います。

環境と地域活性化へ

─路面電車のループ化─
地下鉄の開業と自家用車の普及によって、現在の「西4丁目〜すすきの」間だけが、取り残されたように走り続けている路面電車。その存続に向けて長い間、議論が続けられてきました。それは、公共交通としての必要性だけではなく、都心部の活性化や環境都市さっぽろを象徴するインフラ、高齢社会への対応など、これからのまちづくりに欠くことができない大切な財産として、将来の延伸も視野に入れたものでもあります。

提案されている西4丁目とすすきの電停間の接続(=ループ化)に併せて、新型低床車両の導入や停留所のバリアフリー化、優先信号の設置による時間短縮を目指し、利便性の向上を図り、魅力や機能性を高めていくことも明らかにされました。

一方、輸送人員の減少傾向により厳しい経営状況が続く中で、更なる経営の効率化が、独立採算が原則の公営企業にとっては大きな課題となってきます。長年にわたって据え置かれてきた均一運賃(170円/地下鉄、バスは初乗り200円)の改定に向けた議論も必要です。

所有車両30台中24台が製造から50年を超え、整備工場や車庫も築44年というぎりぎりの状態で走り続ける路面電車。「乗ったこともないし乗る機会もないのに、何でお金を使うの?」と思われる方も多いでしょう。しかし、ヨーロッパでは、新型の軽量低床車両(LRT)が走る風景はあたり前。国内でも、路面電車を活かしたまちづくりへの取り組みが増えてきました。邪魔者扱いから新たな価値の創造へ‼市民の大切な財産として路面電車を守り育てていきたいものです。


地域における支えあい

─白石区姉妹孤立死事件─
電気やガスが止められる中、姉が病気で急死し、知的障害のある妹は近所に助けを求めることなく凍死していたという白石区の事件は、その後、釧路市、さいたま市、立川市などで同様の事件が相次ぎ、都会の片隅で公的支援を受けることなくひっそりと暮らしている「孤立」の問題を浮き彫りにしました。

姉妹の状況を整理してみます。姉は、2年ほど前から三度、生活保護相談に訪れていましたが、雇用保険や職業訓練による雇用給付金を受給し、妹の障害年金が入る予定もあるとのことで、申請には至らなかったとされています。昨年からは、体調を崩しながらも求職活動を続けるなど、困窮の中でも必死に自活の道を探っていた様子が伺えます。

室内のテーブルには現金が残されていました。妹は、姉と同居する前に住んでいた滝川市では、障害者施設に通所していました。札幌市に転居して相談支援事業所の訪問を受けましたが、なぜか面会を拒絶して、サービスの利用につなぐことができず、近所づきあいもほとんどないまま、非常に痛ましい結果となりました。

札幌市は、電気・ガス事業者に対する情報提供への協力要請、約1400人の福祉サービスを受けていない知的障害者の現況調査、民生委員の皆さんの協力による見守り活動、多くの福祉事業所やNPO、ボランティア団体のネットワークによる支え合いなど、「二度と同じことを繰り返さない」ための行動をスタートしています。

また、生活保護の担当者は申請を促したり、訪問して困窮の様子を確認するなど、もう一歩踏み込んだ対応ができなかったのか、障害者相談支援では、定期的に訪問を重ねて信頼関係をつくるなど、当事者に「よりそう」姿勢が必要ではないか、との声に真摯に向き合っていかなければなりません。

しかし、立ちはだかっているのが、プライバシーの侵害、個人情報保護という、私たちが創り上げてきた市民社会の大切なルールです。「いらぬおせっかい」と言われても、気になったらひと声かけ続ける、新しい地域の「絆」創りが求められているのではないでしょうか。

街角探検

ご存知ですか? 自転車指導走行帯

札幌市ではこれまで、急増する自転車利用対策として、放置自転車問題や駐輪場整備に重点的に取り組んできました。しかし、自転車による対人事故がマスコミ等でも取り上げられるようになり、交通事故防止という側面から、自転車走行帯の整備が課題に上ってきました。理想的には、自転車専用道路の整備が望まれますが、道路拡幅や荷捌きや私用での駐車対策などの困難さから、全国的にも足踏み状態にあるのが現状です。

このようなことから昨年10月、琴似川添通りの約700メートルの間の車道両端約1メートルをカラー舗装して、「自転車指導走行帯」とする実証実験が行われました。
昨年9月中旬の事前と10月中旬の事後に行われた、4日間延べ12時間のビデオ調査と、アンケート12000枚(回収率約15%)による検証結果を見てみます。

事前事後の変化を比較すると、自転車は休日で19%、平日の朝夕は23%増加しており、走行帯整備の効果がうかがえます。アンケートでは、「歩行者と分離され走りやすい」273件の一方、「自動車との接触の危険を感じる」259件、が目立ち、「安全だ」187件、「路上駐車が多い」125件となっており、自動車との関係が課題として浮かび上がります。また、歩道上の自転車危険走行が150件、ルール・マナー違反が132件あったことも明らかになりました。

全体としてみると、

①並行する琴似栄町通では、自転車交通量と歩行者の錯綜回数が減少
②川添通の自転車の車道通行の増加は2割止まり
③歩行者から自転車の歩道走行への意見が多い
④自動車の路上駐車が指導走行帯利用の妨げになっている。

などが、今後の利用促進と整備拡大の検討課題となります。
警察庁は「自転車は車両であり、車道通行が原則」との考えを明確にしました。車優先の交通行政と自転車の歩道走行に慣れ親しんできた私たちも、発想の転換を急がなければなりません。
歩行者にも自転車にも優しいまちづくりを目指して、知恵を絞りたいと思います。

橋下流政治(= ハシズム)って何??

「維新」だ「船中八策」だと話題にこと欠かない橋下徹大阪市長。誰が名づけたか「ハシズム」まっしぐら。既成政党もこぞってなびくという超人気ぶりで、まるで「救世主」扱いだ。時代の閉塞感を巧みに操って登場し、政治ショーを演じ続ける橋下流政治の特徴をみる。

その1 バッシング政治

弁護士でありながら、ワイドショーで活躍したタレントでもある橋下氏は、視聴者に取り入る術を心得ている。わかりやすいダメ出しと激しい攻撃である。閉塞する社会や政治への不満の矛先を、議会、公務員、労働組合、さらには既成政党に向け、「既得権集団」として「敵」に仕立て上げ、徹底的なバッシングを繰り返し続ける。

その2 巧妙な論理のすり替え

自らの著書で、話術の極意として「相手に考える間を与えない、感情的な議論を吹っかける」と記しているように、橋下氏との議論はそもそも成立しない。

山口二郎北大教授との討論番組に見られるように、「いかにも学者の意見」「学者がちまちま言う」などと相手を貶(おとし)め、まともに疑問に答えずに攻撃に転じて、自分が優位であるかのように振る舞う。

その3 新自由主義への郷愁

過酷なリストラ社会、格差社会の中で、競争によってはじき飛ばされる人、もともとそのスタートラインにさえ立てない人が急増している。橋下氏は、既成の制度や仕組みを全て破壊して、市場原理を徹底すれば、問題は全て解決するような幻想を振りまき、彼らから圧倒的な支持を受けている。維新の会の「船中八策」は、徹底した新自由主義である。
閉塞する政治のおとし子ともいえる橋下流政治。「反面教師」として注目していきたい。

2012年1月11日水曜日

大島事務所から新年のご挨拶


2012年、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。





川野後援会長(左)と西区民主党の書記さん(右)とともに副議長室を訪問してきました。
たいへんに眺めの良い部屋でしたが、議員一人では広すぎるかなと感じました。(議員もそのようでした。)
副議長室の向かい側に議長室があります。広さ等は同じようです。