上田市長は、厳しい財政の中でも市長選で掲げたマニフェスト(選挙公約)76項目の全ての政策に検討着手し、うち年度内に5項目を達成、33項目で予算措置を行うなど公約実現に強い意欲で臨んでいます。
当初予算とあわせて総額7802億3400万円で前年度比0・5%の減となりましたが、市の借金に当たる市債残高は4年連続で減らし、貯金に当たる 財政調整基金も手をつけず、また、特別の予算措置をせず職員の努力でカバー、知恵と汗を活用する「ゼロ予算政策」を導入するなど苦心の跡が見られます。
特に、子どもを生み育てやすい環境づくり、安全・安心なまちづくりや市民自治の推進など、市民の身近な日常生活を支え、その質を高めるような事業に重点化するとともに、経済や雇用など札幌の活力を高めていくような事業を拡充しています。特徴的な事業内容を紹介します。
子どもを生み育てやすく健やかにはぐくむ街
- 妊婦検診の公費負担の拡充(現行1回を5回まで)
妊婦の健康を確保するとともに不安を取り除き、安全な出産と健康な子どもの出生のため、異常を早期に発見し適切な指導を行う目的で実施。(07年10月から、政令市ではトップの水準、約1億円)
- 地域主体の子育てサロン
まもなく全小学校区に開設。これまでの立ち上げ時の支援に加え、開催回数など一定の条件を満たしたサロンに継続的な支援を行う。
- 児童会館の夜間延長、20館から40館へ
小学生の遊び場というイメージが強い児童会館を中・高生にも開放。コンビニの駐車や公園より屋根のある温かい会館で、スポーツで汗を流し、バンドの練習や友達と語ろう。中高生の放課後・夜の居場所を倍増。(9月から)
- 悩みを抱えている子どもの相談体制
不登校への対応・いじめ問題の解決に向け、スクールカウンセラーを全ての小中学校へ派遣。より専門的な知識をもつスーパーバイザーを2名から5名に増員。
- 子育てアドバイザー
親と子を支援できる専門的な知識をもつ子育てアドバイザーの養成講座の実施。ファミリー子育てひろばを開催。
主体的な活動が生まれ経済の活力みなぎる街
- 市民主体の地域づくりを推進
区民協議会を中心として新たな市民意見反映の仕組みづくりを進める。また、地域が主体的にまちづくりを進めるため「まちづくりセンター」の地域自主運営化をめざし、希望する地域に必要な支援を行う。
- 大学は地域まちづくりのパートナー
大学の知的資源と学生の活力をまちづくりに活かすため、大学地域連携ネットワーク会議やワークショップを開催する。
- ものづくり産業の革新を支援
製造業を営む市内中小企業や企業グループ等に対して、新製品開発や既製品改良、人材の育成・確保、企業ネットワークの構築への補助を行う。
- 食のまち・札幌を道外に発信
金融機関や経済界と連携して市内の中小食品関係企業の販路拡大を支援。
高齢者・障がい者へのぬくもりあふれる街
- 夜間も利用可能な訪問介護を開始
地域密着型サービスとして夜間対応型訪問介護サービスを実施する際に必要となる通信設備の整備に補助。(3事業者で全区をカバー)
- 障がい者の雇用の場の拡大
障がい者を一定割合雇用し、サポート体制を有する障がい者協働事業所を3カ所から6カ所へ。知的障害者を対象としたホームヘルパー3級養成講座を開始。
- 若年性認知症の方を支援
保健師、社会福祉士などの専門職による電話相談や研修会・交流会を実施。
- 特別養護老人ホーム新設
小規模の地域密着型特養を2カ所新設。当面各区1カ所を目標。
安全・安心で人と環境にやさしい街
- 環境首都・札幌宣言
環境憲章・行動目標の素案策定とエネルギー戦略会議の設立。大規模な太陽光発電の共同設置や「次世代エネルギーパーク」構想の検討。
- 花博の誘致
環境都市を国内外に発信する国際園芸博覧会(花博)について、誘致の是非を検討するための基礎調査。
- 循環型社会の構築
家庭ごみの減量リサイクルに関する意識調査や市民意見交換会、定山渓(生ごみ堆肥化)やススキノ地区(ごみ分別)などのモデル事業。
- 救急体制の向上
119番通報の発信場所が特定できなかった携帯電話・IP電話等も位置が特定できるシステムを導入して出動時間を短縮。
- 消費者被害の防止
高齢者の消費者被害の早期発見や救済に努めるネットワーク事業を3区(中央、北、東)で試行実施。
文化の薫る都市の魅力が輝き、にぎわう街
- 文化情報ステーションの開設
札幌市内で行われる様々な文化イベント情報を集約し、紹介、発信するため、地下鉄大通駅構内に開設。(10月)
- 都心の魅力アップ
今後の取り組むべき施策や事業を体系化したアクションプログラムを策定。実行主体となる「まちづくり会社」の設立準備などを行う。
- 大通り公園にスケートリンクを!
08年度の本格実施に向け、雪まつり期間に西1丁目で試行的に開設。
- 北海道厚生年金会館の存続
行政・経済界・市民の協働による、文化活動の拠点施設である厚生年金会館ホールの取得や運営方法の検討。
その他の取り組み
- 円山動物園の魅力アップ
北方圏動物展示ゾーンの再整備や、子ども動物園の学習効果を高めるため、ふれあい重視型に改修、障がい者対応トイレを設置。
- 山口斎場の「友引」開場
4月から里塚斎場の大規模改修で、友引翌日は一日63・2件の利用になり一時間待ち状態。交通渋滞の冬期間(12月から3月)の混雑緩和のため。
除雪体制維持のため除雪車を13台購入