またぞろ北朝鮮のテポドン発射でマスコミは大騒ぎである。軍事問題の専門家と称する自衛隊OBがしたり顔で脅威を煽り立て、コメンテーターなる人物がいかにも心配そうにうなずいている。確かに周辺国に事前の通知のないミサイル発射実験は国際法に違反し、「小泉サプライズ」の一つである「日朝共同宣言」を踏みにじる行為である。軍事力を自国の対外関係を優位に導くためにもてあそぶ愚行は断じて許されない。
一方、世界最強の軍備を保持し、勝手に「ならず者国家」のレッテルを貼り、核実験を繰り返して恥じない国との軍事的なつながりを深める日本。「拉致問題」に引きずられ、共同宣言の実現への努力は無きに等しい日本。おのれの無策を棚上げする小泉流ポピュリズム正治の本質を見極めよう。