公共放送のあり方そのものが問われている。NHKが製作した「従軍慰安婦」の責任を問う国際民衆法廷に関する報道番組が、自民党国会議員の圧力によって改ざんされたことを朝日新聞が報道し、政策にあたったプロデューサーが内部告発の記者会見を行った。これに対し、NHKが「虚偽報道」としてニュース番組で朝日新聞攻撃を行なっている問題である。
圧力のあるなしも重大だが、橋本会長の「与党への番組内容の事前説明は当然」との発言は、「検閲」を認め、みずから「報道の自由」を放棄するに等しい行為である。権力をチェックするべき役割を担うメディアが権力におもね、事実から目をそらす。タカ派議員の圧力に屈して番組を改ざんする。憲法問題以上に危機は深く進行しているのかもしれない。
(機関紙民主党さっぽろ2月25日号のコラムより)