阪神・淡路大震災から10年。「復興」のかけ声の中、ボランティア元年とも言われ、「ガンバロー神戸」の大合唱が「やさしいニッポン人」を演出した。今、深い悲しみとともに生きてきた被災者の声に耳を澄ます。支えあう社会へと力強く歩む姿と、競争と憎しみの渦巻く社会に翻弄される姿がある。
戦後60年の政治史をひも解いてみる。時の政権の政策選択を決定づけていたのは、安全保障のみならず経済面での米国からの圧力と自民党内の権力闘争であった。その総決算を掲げて登場した「国家」と、連帯と共生の新たな社会像を目指す「市民」が激しくせめぎ合う。
今年は「とり年」。鶏口となるとも牛後となるなかれ。そして、何とか市民革命の夜明けを告げ、鬨(とき)の声を上げる一年にしたいものだ。