2016年3月23日水曜日

大島かおるの市議会リポート

薫風45号

未来への展望を切り拓く
─ 活躍、躍進、飛躍の年へ─
積雪は少ないながらも寒暖の差が激しく、インフルエンザの流行が懸念される今冬の暮らし。
皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

札幌市議会第1回定例会は2月17日に開会し、3月29日までの会期で、来年度予算案の審議が行われます。
秋元市長は年頭に、今年の抱負を示す漢字に「躍」の1文字を掲げ、「身を粉にして、全力で様々な課題に取り組む」との決意を示し、スピード感を持って、昨年暮れに取りまとめた「アクションプラン2015」の実現にあたるとしています。
「地方置き去り」の感がますます強くなる安倍政権ですが、課題を明らかにし、札幌の未来へとつながる論議を行っていきたいと思います。
秋元市長に予算要望書を提出

軽すぎる政治家の言葉
相次ぐ放言
失言、放言をした大臣や国会議員の常套(じょうとう)句が「軽率だった」「誤解を与えたとしたら申しわけない」の2つです。
そして陳謝し撤回して無罪放免。こんな茶番を何回見てきたのでしょうか。

発言が「軽率だ」と認めるのであれば、まず自らの不明を恥じなければなりません。
市民は「誤解」をしているのではありません。間違った発言に対して真っ当な批判をし、正せと言っているのです。

とりわけ、福島原発事故による放射能汚染対策に責任のある石原伸晃前環境大臣の「(汚染物質の集中処分地選定は)結局はカネメでしょ」発言と丸川珠代現環境大臣の「(年間被ばく線量の基準値に)何の科学的根拠もない」発言。
かたや『本音』で、かたや『無知』。怒りを通り越して、情けない、あきれてものも言えないという方も多いと思います。
「歯舞(はぼまい)」を読めない担当大臣は、そんなことでいじめられてかわいそう??

居直りの国会答弁
相手への配慮や想像力を欠いた失言・放言の連発は、安倍首相の国会の答弁姿勢に大きく影響されているともいえます。

安保法制を巡る議論では「私が最高責任者」「国民の安全を守る責任がある」と繰り返して強い首相を演出し、数多くの疑問は棚上げにされました。
野党の質問中に、にやけた軽蔑の表情を浮かべ、ヤジを飛ばすという、子供じみた態度も改まりません。

このような権力者のおごりが、仲間うちの居酒屋談議で繰り返されている「冗談」や「軽口」と、公人たる政治家としての発言との境界をあいまいにする大きな要因になっているのではないでしょうか。

密室で決められた軽減税率
問われる財政効果
「軽減税率の導入で廃業する零細事業者が出るのでは」との質問に、麻生太郎財務大臣の答えは、「一つや二つ、100、1000あったとかいろいろ出てくると思う」。このような乱暴な答弁には、自民・公明が決めたのだから、四の五の言ってもしょうがないという、高圧的かつ投げやりな姿勢が透けて見えます。

導入に必要な財源は、一兆円とされていますが、目途が立っているのは、本来、所得が300万円以下の世帯に対する医療、介護などの費用の軽減策として充てるはずの4000億円。
それが、軽減税率では1000億円程度の効果に値切られることになります。
残りの6000億円は… ??

自民・公明両党の思惑(おもわく)だけが先行する中で、肝心な議論は後回し。
「とりあえず、税金の負担は減るのだから、いいんじゃない」では済まされません。

税と社会保障の一体改革はどこへ?
今、介護現場で何が起きているのか?
川崎市の有料老人ホームで起きた転落死事件。犯人とされる元介護職員の動機はともあれ、この事件をきっかけにして、施設、訪問、家族を問わず、介護を巡る厳しい現状を浮き彫りにする報道が続いています。そして、最終的には、「人材の確保と育成をどうするのか」という議論に行き着きます。

格差社会や子供の虐待・貧困問題もまた同様といえます。
規制緩和と市場原理がもたらしている様々な問題を解決するためには、税源と税の再配分のあり方、社会保障制度の再構築についての根本的な、そして国民的な議論を提起する責任が政治にはあるはずです。
それこそが「一億総活躍社会」への一丁目一番地ではないでしょうか。

東日本大震災から5年
福島原発事故の記憶
5年前、私たちは巨大地震による大津波と、福島第一原発大事故に伴う放射能汚染の被害状況について、毎日の報道を固唾(かたず)をのんで見守り、記憶に焼き付けたはずでした。

私は二年前、薫風40号に次のように記しました。
「事故によって故郷と切り離され、長引く避難生活によって地域が分断され、そして避難先で孤立する人や、移住を決断する人―私たちの想像力が試されているのではないでしょうか。アベノミクスに浮かれ、原発再稼働に走り、『フクシマ』の記憶をしまいこむ。そんな記憶だけは残したくありません。」

しかし今、大方の関心は、アベノミクスであり、東京オリンピックの経済効果であり、雇用や老後の不安かもしれません。
それでもなお私たちには、分断と沈黙を強いられている人たちや放射能汚染の現実と向き合い、この5年間の経験を未来の糧とする努力を積み重ねていくことが求められています。

未来への展望を
この5年間の集中復興期間、26兆円を超える莫大な予算が投入され、その大半はインフラの整備に使われました。
「震災復興」と「成長戦略」の錦の御旗のもとで、コンクリートへの回帰が進んだと言えます。
「復興事業を、人口減少・超高齢社会へ向かう日本社会のモデルとする」との理想は、無残に忘れ去られようとしています。

しかし、地場の産業振興や生活の再建、心の空白を埋め地域のつながりを取り戻すには、まだ20~30年の月日を要することは間違いありません。
この5年をしっかりと検証し、東北の未来は、私たちの未来と裏表の関係にあることを肝に銘じて、次への一歩を踏み出して行きたいと思います。

生活困窮者支援に取り組む川崎市「だいJOB センター」を視察

中期財政フレーム2015(一般会計)
札幌市の5年間の見通しを示したもので、財政運営の基本となるものです。
28 年度予算では建設事業費が大きく膨らんでいますが、これまで準備を進めてきた大型事業が本格化することによるものです。福祉関係の扶助費は、毎年増加することが見込まれています。



今後も、事務事業の効率化をはじめとして、将来に大きな負担を先送りしないよう、しっかりとチェックをしていきます。


巨龍中国と民間交流
札幌・瀋陽友好都市提携35周年
昨年11月10 日から13日までの3泊4日、友好都市提携35周年記念事業の市議会訪問団の一員として、中国瀋陽市を訪れました。

在瀋陽日本国総領事館にて
瀋陽市への訪問は5回目となります。前回は5年前の夏、上海万博が開催されており、中国経済も日中関係も極めて良好でしたが、帰国直後に尖閣列島沖での中国漁船々長逮捕事件、さらには領有権を巡る混乱で、日中関係は政治、経済ともに一気に冷え込むことになりました。
そして昨今は、中国経済の変調が云々されながらも、中国からの観光客による「爆買い」騒ぎ。
中国がクシャミをすると日本が風邪をひくと言われますが、今後も「カネメ」の話に右往左往しない自治体や民間の友好交流の輪を広げていきたいと思います。

変わらぬ賑わいの中で
瀋陽桃仙国際空港に到着し外に出ると、石炭ストーブを燃やしていた時代の懐かしい臭い。
そして、晴れているにもかかわらず太陽は灰色の中にぼんやりと浮かんでいる。
日本でも時折報道される、PM2・5のお出迎えである。前日までは倍以上の数値だったということで、少し安心。

都心は人と車そして路上の物売りと相変わらずのにぎわい。
しかし、林立する工事中の高層マンションは、よく見ると工事が途中で止まっているところがある。
地下鉄が開通し、中国東北部の中心都市として近代化を進める瀋陽市だが、重工業を中心とした産業構造の転換には、まだ時間がかかりそうである。

未来へとつなぐ
中国政府がようやく関係改善に大きく舵を切ったこと。観光客の増加にみられるように日本への関心が高まっていること。食品や日用品、生活インフラなどの、技術力や安全面の信頼が今後の経済交流の鍵になること。この三点で、今回の訪問は時宜を得たものであり、意義深いものになる。
と、在瀋陽総領事の大澤勉氏から、熱のこもったお話しをいただいた。

また、瀋陽市で活躍する日系企業の代表の方との懇談では、ご苦労や今後の課題など貴重なお話を伺うことが出来た。

瀋陽師範大学の訪問では、「瀋陽ジャパンディ」での茶道の実演の後、日本語を学ぶ学生と一対一の対話タイム。日常生活や将来の夢などを聞き、楽しい時間を過ごした。

「さすが中国.」と、規模の大きさに驚くのは昨年完成したという「瀋陽市都市企画展示館」。
これまでの都市計画の発展をたどっていくと、未来図を描くテニスコート三面分もの大ジオラマが現れる。10年後くらいには、すっかりリニューアルされていることを想像すると、中国の持つ底力は、まだまだ目が離せない。

伊与部年男議員(北区)が急逝
会派そして札幌市議会の最長老議員であり、昨年4月の選挙で連続10回の当選を果たした伊与部さんが、1月31日に急性心不全で亡くなりました。1月7日に、お連れ合いのキミエさんを亡くしたばかりでしたが、ご自宅の改修や「議会だより」発行の準備など、時折電話で元気な声を聞き、もうすぐ「いよべ節」全開か.と期待していた矢先の急逝でした。
会派控室の一番奥の席から、相談役として、時には厳しく私たち後輩議員を育てていただいた姿はなく、机上に飾られた花が見守ってくれています。
心からご冥福をお祈りします。