2016年12月7日水曜日

市議会リポート 薫風第46号



薫風46号から
 
不安定な時代へと向かう世界
―それでも着実に、一歩ずつ―

例年より早い冬の訪れに戸惑っている方も多いと思います。
札幌市議会は第3回定例会が1031日に閉会し、来年度予算編成に向けた作業が本格的に始まることになります。


 一方、世界の政治や経済の動きをみると、様々な動きが複雑に絡まりあって、より不透明になり不安定化が増しているようです。
注目のアメリカ大統領選挙は、大方の予想を裏切る結果となり、世界中に激震が走りました。
イギリスの離脱と難民問題に揺れるEU。政治・経済の両面で影響力を増してきた中国とロシア。混迷を深めるシリア問題とIS掃討作戦などなど。「憎しみ」と「分断」が広がる世界の中で、私たちの立ち位置もまた試されている気がします。


社会の不安感や閉塞感が増しているからこそ、安易に憲法論議にむかったり「バッシング政治」に溜飲を下げるのではなく、将来のまちづくりに向けての議論を、一歩ずつ積み重ねていきたいと思います。

安全と給食再開を最優先に
―アスベスト落下問題で緊急申し入れ―
10月に市内3ヵ所の市有施設で、ボイラーの煙突から剥落した断熱材に、発がん性のあるアスベストが含まれていることが明らかになりました。緊急点検の結果、小中学校13校の給食調理用ボイラーを含む28施設での落下を確認し、使用停止の処置を行うとともに、大気中へのアスベスト飛散の有無についての安全確認を行っています。
 一方、ボイラーが使用停止になった学校は給食調理ができなくなり、一時は約一万3千人の児童生徒に、パンと牛乳の簡易給食を提供せざるをえないなど大きな影響が出ました。また、一昨年8月の文部科学省からの調査依頼に対する、市教育委員会の対応や今後の施設管理のあり方についても、疑問が出されています。このような事態を受けて会派では、11月4日、秋元市長に対し以下の緊急申し入れを行いました。
(一)当該校における給食用ボイラーの使用再開については、代替案も含めて可及的速やかに検討し、実施すること。
(二)今後、二度と起きないよう徹底した原因究明を行い、施設管理の在り方の見直しを図ること。
(三)学校関係者、児童生徒、保護者をはじめ市民に対して、迅速かつ分かりやすい情報提供を行い、不安を払しょくすること。
板垣副市長に緊急申し入れ書を提出
 十分な情報開示をもとに
―冬季オリ・パラ招致問題―
札幌のまちづくりの基礎となった、アジア初の72年冬季オリンピックから44年。秋元市長は11月8日、日本オリンピック委員会(JOC)への開催提案書を提出しました。

今後は、JOCによる来年秋までの立候補判断と国際オリンピック委員会(IOC)への申請、更に2019年の開催都市決定まで多くの関門がありますが、ようやく招致活動への一歩が踏み出されました。
札幌市議会では2014年11月に「招致に関する決議」を行い、昨年6月には「冬季五輪招致・スポーツ振興調査特別委員会」を設置して、施設整備や財政計画にについて議論を積み重ねてきました。

「つくる」から「つながる」へ
提案書では基本姿勢として「過去―つながる―未来」「都市―つながる―自然」「オリンピック―つながる―パラリンピック」「スポーツ―つながる―文化・観光・産業・教育」「札幌―つながる―世界」を謳っています。
これから一斉に更新時期を迎える、老朽化した競技施設や都市インフラ。人口減少と超高齢社会に向かう中にあって、将来のまちづくりの課題と重ね合わせるヒントがここに表わされているのではないでしょうか。

不可欠な市民の支持
東京五輪を巡っては、開催総経費が当初計画の4倍となる3兆円に膨らむとされ、「コンパクト五輪」「震災復興五輪」の掛け声はすっかりかすんでいます。開催経費への不安が広がる中で、継続的に情報開示を行い市民の支持を広げていくことが求められます。

競技施設は、72年と比べて種目数や観客席数が大幅に増え、改修、建替え、仮設など様々な工夫が必要になります。新設が必要な選手村とメディアセンターは、立地場所や開催後の利用計画についてさらに慎重な検討をしていかなければなりません。

招致実現までの道のりは、まだまだ長く厳しい条件を克服しなければなりませんが、次世代へとつなぐ有形無形の財産を、市民が共に創り上げる―創造都市さっぽろを世界にアピールする絶好の機会としたいと思います。

子どもの育ちはいま
―全国学力・学習状況調査から―

今年の「全国一斉学力テスト」の結果が、10月に教育委員会から公表されました。

1964年、「地域や学校の序列化と過度の競争を生む」として中止され、2007年に復活して10年が経過します。毎年、公表を求める圧力が強まり、学校別に公表する自治体では、成績の悪い子を休ませるなんていう事件もありました。


学力テストの目的は、子どもたちの習熟度を把握し、教育施策や学校での指導に生かすことであり、義務教育の子供たちを点数のみによって序列化することではないはずです。目的が横道にそれて、点数や順位を上げることに親や子どもたちの意識を向かわせているとしたら、即刻中止して根本的な見直しを図るべきではないでしょうか。


「みんなちがって、みんないい」「ナンバーワンよりオンリーワン」―いつまでも教育の原点を忘れずに、大切にしたいものです。

社会とのかかわりを見る

新聞などではほとんど報道されませんが、学力テストでは、国語、算数・数学の教科に関する調査と同時に、生活習慣や学習環境について約40項目にわたる調査を行っています。 

私は、点数よりもこちらの方に興味が惹かれますので、何点かピックアップしてみます。なお、カッコ内は肯定的な回答の割合です。

◎自分には、よいところがあると思いますか

 小学生(74・6%)中学生(69・7%)

◎将来の夢や目標を持っていますか

 小学生(83・9%)中学生(68・6%)

◎学校に行くのは楽しいと思いますか

 小学生(85・5%)中学生(77・7%)

◎今住んでいる地域の行事に参加していますか

 小学生(57・5%)中学生(29・9%)

また、学習塾に通っている割合は、小学生46・5%、中学生61・3%。1日に2時間以上ゲーム(テレビやパソコン、スマホ)をしている小学生は35・7%、中学生は37・6%。通話やメールをしている小学生は13・2%、中学生は34・4%となっています。
皆さんはどのように受け止められますか?

見えにくい貧困
日本ではいま、子供の6人に一人が貧困のもとで暮らしています。先進国でも最悪の水準といわれ、貧困の連鎖や格差の広がりなども指摘されています。

一方、相変わらず生活保護バッシングが続き、ドキュメンタリー番組に出演した子供へのバッシングに自民党の政治家が同調するなど、本質がゆがめられて伝えられる例も多くみられます。
見えにくい構造を明らかにし、相変わらず親に責任を押し付けるあり方を変えていく努力が必要です。

 子ども未来局では、来年度策定予定の「(仮称)子ども貧困対策」や、今後の子ども施策を検討する基礎資料とするため、1万3千人を対象とする「子ども・若者生活実態調査」を行っています。
貧困を生み出す社会的な不平等や不利をどのように克服していくのか?就労、教育、医療、保育など、まさに政策を総動員した取り組みが求められます。

 
「絵本図書館オープニング式典で。秋元市長と同僚議員」


健全経営と市民サ-ビスの向上を
―路面電車の料金値上げへ、24年ぶり―

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年の冬季オリンピック開催を機に、地下鉄南北線の開通とモータリゼーションの荒波によるバス転換によって、辛うじて残った路面電車。
その後も廃止を求める声に悩まされながら、全国的な「路面電車復権」の追い風を受けて、05年にようやく存続が決定し、12年には「路面電車活用計画」が策定されて実行に移されました。


ループ化と新型車両の導入

札幌市の車両は、30両のうち24両が運転開始後50年を経過し、老朽化が進んでいます。このため、段差を小さくするバリアフリー対応と定員増によるサービス向上を目指した、新型低床車両「ポラリス」が2両導入され、停留所の改良事業も始まりました。


「すすきの」と「南1西4」とを結ぶループ化事業は、都心部とのアクセス性と回遊性の向上、歩道側を通行するサイドリザベーション方式による沿道のにぎわいとの一体化を図るものとされています。

雪対策や荷捌(さば)き場の確保、車との接触事故や交差点の安全対策など、多くの課題を克服し、順調に乗客数を伸ばしています。


経営の安定と今後の取り組み

しかし、現行運賃(大人170円)のままでは、毎年1億円から2億円の収支不足が続くことが予想されます。今後、内部効率化や経営形態の見直しを図っていくことはもちろんですが、車両のみならず修理工場などの施設の老朽化も限界に達していること、更にサービスの向上が求められていることを踏まえると、料金改定はやむなしと考えます。


秋元市長は今年4月に市営企業調査審議会に諮問。
審議会では計4回の議論を経て「経営基盤を安定させるために、運賃を引き上げる」との答申を出しました。

これを受けて交通局は、料金を30円引き上げて200円とする条例改正案を提出し、議会では聴聞会を開催したほか、決算特別委員会での議論を経て認められることとなりました。


今後は、地域のまちづくり団体とも連携を図りながら、「高齢社会への対応」や「都市の活性化」など、新たなテーマに挑戦していくことになります。

地震防災と避難対策
―熊本県益城(ましき)町を訪ねて―

8月下旬、今年4月に2度にわたり震度7の激しい直下型地震に襲われた、熊本県益城町を訪ねました。熊本市内から阿蘇山の方面に車で約20分ほどに位置する益城町は、のど
かな田園風景と住宅が混在する人口3万人ほどのベッドタウンです。

熊本市内では目立たなかった倒壊住宅も、益城町に入ると幹線道路の両側に、一階部分がつぶれ瓦が散乱している家、かろうじて形は残っていても今にも倒れそうな建物、一見無傷に見えても倒壊に危険を示す張り紙がある建物などが次々と目に入ります。すさまじい地震の破壊力と被害の大きさに声を失いながら、町役場に到着しました。

「益城町役場屋上で稲田議長の説明を受ける」
 
想定外だった直下型地震
大きな損傷を受け、役場機能全体が公民館に移されている庁舎の2階で、「議員全員が毎日、地域の様々な課題や情報を集める貴重な役割を果たしている」と言いつつ、稲田忠則議長自ら説明役をしていただきました。
「台風や梅雨時期の水害に対しての備えはしてきたが、防災計画の中で地震は全く想定していなかった。むしろ台風に備えて屋根を重くしたことで、地震の被害が大きくなった。」

「倒壊住宅の解体、撤去がなかなか進まずに苦労している。そもそも業者が少ないこと。分別や搬送に時間がかかること。処分場の確保の問題など課題は多い。」

「住宅の再建は、何とか2年で成し遂げたい。住み慣れた家を失い避難所や借り上げ住宅で暮らすうちに、希望を失ってしまう高齢者が多くいるからだ。」 

「ようやく避難所を閉鎖するめどが立ち、一時の混乱状態はおさまりひと段落の感はあります。しかし、復旧・復興にはまだまだ長い時間がかかります。一日も休む暇はありません。」

今年は北海道に続けて三つの台風が上陸し、とりわけ道東地方に甚大な被害をもたらしました。札幌市は、神戸、東日本の二つの大震災の経験に学び、地震への災害対策の充実を図ってきましたが、風水害への対策にはまだまだ弱い点があります。

貴重な時間を割いて説明いただいた稲田議長のお話を、今後もしっかりと胸に刻んでいきたいと思います。


近くて遠い国を訪ねて

4月に中日友好協会の招きで南京・洛陽を、6月には友好都市交流事業でノボシビルスク市(ロシア)を訪問する機会を得ました。
中国は何度も訪れていますが、ロシアは初めて。どちらも日本のお隣の国ですが、情報は少なく、良い印象を持つ人も少ない国といえます。しかし、トラベルはトラブルと言った人がいますが、旅はいつも新しい発見をもたらしてくれます。


「中山(ちゅうざん)陵の孫文像と一緒に」


昨年の瀋陽、3年前の北京と訪問時期が冬ということもあり、PM2.5の“熱烈歓迎”を受けましたが、今回は夏を思わせる陽気。

国父として尊敬を集める孫文の陵墓である南京・中山陵は、幅20メートル392段の石段を埋めつくほどの観光客。世界遺産の洛陽・竜門石窟もまた、一周2時間はかかる見学路に人があふれていました。日本で報道されている風景とは全く異なる、人々の姿があります。

しかし、数年前まではどこに行っても見かけた日本人観光客の姿がありません。
札幌では、一年中を通して見かけるようになった中国人観光客。大きなギャップに、驚いてばかりはいられません。

日本語では「新しいシベリアの町」を意味するノボシビルスク市。19世紀末に、シベリア鉄道建設の拠点として街がつくられ、学術研究都市として発展を続けています。

清潔で緑の多い街並み。フレンドリーな人々(ただし中国人と間違われ、度々「ニーハオ」と声をかけられる)
結婚式で夜中までにぎわうホテルのフロアー。日本車で混雑する道路。何よりも、「シベリア北海道文化センター」の活動を中心に、日本語や日本の文化を学ぶ若い人たちが育ち、交流の歩みが重ねられています。まさに「目からウロコ」を実感した次第です。

私たちは中国、ロシアともに、近づきがたい国という先入観を持ってしまいがちです。
しかし、思い切って一歩足を踏み入れると大きく広がる世界が、“常識”を変え、新たな挑戦を誘(いざな)う原動力につながるのではないでしょうか。

2016年3月23日水曜日

大島かおるの市議会リポート

薫風45号

未来への展望を切り拓く
─ 活躍、躍進、飛躍の年へ─
積雪は少ないながらも寒暖の差が激しく、インフルエンザの流行が懸念される今冬の暮らし。
皆様にはいかがお過ごしでしょうか。

札幌市議会第1回定例会は2月17日に開会し、3月29日までの会期で、来年度予算案の審議が行われます。
秋元市長は年頭に、今年の抱負を示す漢字に「躍」の1文字を掲げ、「身を粉にして、全力で様々な課題に取り組む」との決意を示し、スピード感を持って、昨年暮れに取りまとめた「アクションプラン2015」の実現にあたるとしています。
「地方置き去り」の感がますます強くなる安倍政権ですが、課題を明らかにし、札幌の未来へとつながる論議を行っていきたいと思います。
秋元市長に予算要望書を提出

軽すぎる政治家の言葉
相次ぐ放言
失言、放言をした大臣や国会議員の常套(じょうとう)句が「軽率だった」「誤解を与えたとしたら申しわけない」の2つです。
そして陳謝し撤回して無罪放免。こんな茶番を何回見てきたのでしょうか。

発言が「軽率だ」と認めるのであれば、まず自らの不明を恥じなければなりません。
市民は「誤解」をしているのではありません。間違った発言に対して真っ当な批判をし、正せと言っているのです。

とりわけ、福島原発事故による放射能汚染対策に責任のある石原伸晃前環境大臣の「(汚染物質の集中処分地選定は)結局はカネメでしょ」発言と丸川珠代現環境大臣の「(年間被ばく線量の基準値に)何の科学的根拠もない」発言。
かたや『本音』で、かたや『無知』。怒りを通り越して、情けない、あきれてものも言えないという方も多いと思います。
「歯舞(はぼまい)」を読めない担当大臣は、そんなことでいじめられてかわいそう??

居直りの国会答弁
相手への配慮や想像力を欠いた失言・放言の連発は、安倍首相の国会の答弁姿勢に大きく影響されているともいえます。

安保法制を巡る議論では「私が最高責任者」「国民の安全を守る責任がある」と繰り返して強い首相を演出し、数多くの疑問は棚上げにされました。
野党の質問中に、にやけた軽蔑の表情を浮かべ、ヤジを飛ばすという、子供じみた態度も改まりません。

このような権力者のおごりが、仲間うちの居酒屋談議で繰り返されている「冗談」や「軽口」と、公人たる政治家としての発言との境界をあいまいにする大きな要因になっているのではないでしょうか。

密室で決められた軽減税率
問われる財政効果
「軽減税率の導入で廃業する零細事業者が出るのでは」との質問に、麻生太郎財務大臣の答えは、「一つや二つ、100、1000あったとかいろいろ出てくると思う」。このような乱暴な答弁には、自民・公明が決めたのだから、四の五の言ってもしょうがないという、高圧的かつ投げやりな姿勢が透けて見えます。

導入に必要な財源は、一兆円とされていますが、目途が立っているのは、本来、所得が300万円以下の世帯に対する医療、介護などの費用の軽減策として充てるはずの4000億円。
それが、軽減税率では1000億円程度の効果に値切られることになります。
残りの6000億円は… ??

自民・公明両党の思惑(おもわく)だけが先行する中で、肝心な議論は後回し。
「とりあえず、税金の負担は減るのだから、いいんじゃない」では済まされません。

税と社会保障の一体改革はどこへ?
今、介護現場で何が起きているのか?
川崎市の有料老人ホームで起きた転落死事件。犯人とされる元介護職員の動機はともあれ、この事件をきっかけにして、施設、訪問、家族を問わず、介護を巡る厳しい現状を浮き彫りにする報道が続いています。そして、最終的には、「人材の確保と育成をどうするのか」という議論に行き着きます。

格差社会や子供の虐待・貧困問題もまた同様といえます。
規制緩和と市場原理がもたらしている様々な問題を解決するためには、税源と税の再配分のあり方、社会保障制度の再構築についての根本的な、そして国民的な議論を提起する責任が政治にはあるはずです。
それこそが「一億総活躍社会」への一丁目一番地ではないでしょうか。

東日本大震災から5年
福島原発事故の記憶
5年前、私たちは巨大地震による大津波と、福島第一原発大事故に伴う放射能汚染の被害状況について、毎日の報道を固唾(かたず)をのんで見守り、記憶に焼き付けたはずでした。

私は二年前、薫風40号に次のように記しました。
「事故によって故郷と切り離され、長引く避難生活によって地域が分断され、そして避難先で孤立する人や、移住を決断する人―私たちの想像力が試されているのではないでしょうか。アベノミクスに浮かれ、原発再稼働に走り、『フクシマ』の記憶をしまいこむ。そんな記憶だけは残したくありません。」

しかし今、大方の関心は、アベノミクスであり、東京オリンピックの経済効果であり、雇用や老後の不安かもしれません。
それでもなお私たちには、分断と沈黙を強いられている人たちや放射能汚染の現実と向き合い、この5年間の経験を未来の糧とする努力を積み重ねていくことが求められています。

未来への展望を
この5年間の集中復興期間、26兆円を超える莫大な予算が投入され、その大半はインフラの整備に使われました。
「震災復興」と「成長戦略」の錦の御旗のもとで、コンクリートへの回帰が進んだと言えます。
「復興事業を、人口減少・超高齢社会へ向かう日本社会のモデルとする」との理想は、無残に忘れ去られようとしています。

しかし、地場の産業振興や生活の再建、心の空白を埋め地域のつながりを取り戻すには、まだ20~30年の月日を要することは間違いありません。
この5年をしっかりと検証し、東北の未来は、私たちの未来と裏表の関係にあることを肝に銘じて、次への一歩を踏み出して行きたいと思います。

生活困窮者支援に取り組む川崎市「だいJOB センター」を視察

中期財政フレーム2015(一般会計)
札幌市の5年間の見通しを示したもので、財政運営の基本となるものです。
28 年度予算では建設事業費が大きく膨らんでいますが、これまで準備を進めてきた大型事業が本格化することによるものです。福祉関係の扶助費は、毎年増加することが見込まれています。



今後も、事務事業の効率化をはじめとして、将来に大きな負担を先送りしないよう、しっかりとチェックをしていきます。


巨龍中国と民間交流
札幌・瀋陽友好都市提携35周年
昨年11月10 日から13日までの3泊4日、友好都市提携35周年記念事業の市議会訪問団の一員として、中国瀋陽市を訪れました。

在瀋陽日本国総領事館にて
瀋陽市への訪問は5回目となります。前回は5年前の夏、上海万博が開催されており、中国経済も日中関係も極めて良好でしたが、帰国直後に尖閣列島沖での中国漁船々長逮捕事件、さらには領有権を巡る混乱で、日中関係は政治、経済ともに一気に冷え込むことになりました。
そして昨今は、中国経済の変調が云々されながらも、中国からの観光客による「爆買い」騒ぎ。
中国がクシャミをすると日本が風邪をひくと言われますが、今後も「カネメ」の話に右往左往しない自治体や民間の友好交流の輪を広げていきたいと思います。

変わらぬ賑わいの中で
瀋陽桃仙国際空港に到着し外に出ると、石炭ストーブを燃やしていた時代の懐かしい臭い。
そして、晴れているにもかかわらず太陽は灰色の中にぼんやりと浮かんでいる。
日本でも時折報道される、PM2・5のお出迎えである。前日までは倍以上の数値だったということで、少し安心。

都心は人と車そして路上の物売りと相変わらずのにぎわい。
しかし、林立する工事中の高層マンションは、よく見ると工事が途中で止まっているところがある。
地下鉄が開通し、中国東北部の中心都市として近代化を進める瀋陽市だが、重工業を中心とした産業構造の転換には、まだ時間がかかりそうである。

未来へとつなぐ
中国政府がようやく関係改善に大きく舵を切ったこと。観光客の増加にみられるように日本への関心が高まっていること。食品や日用品、生活インフラなどの、技術力や安全面の信頼が今後の経済交流の鍵になること。この三点で、今回の訪問は時宜を得たものであり、意義深いものになる。
と、在瀋陽総領事の大澤勉氏から、熱のこもったお話しをいただいた。

また、瀋陽市で活躍する日系企業の代表の方との懇談では、ご苦労や今後の課題など貴重なお話を伺うことが出来た。

瀋陽師範大学の訪問では、「瀋陽ジャパンディ」での茶道の実演の後、日本語を学ぶ学生と一対一の対話タイム。日常生活や将来の夢などを聞き、楽しい時間を過ごした。

「さすが中国.」と、規模の大きさに驚くのは昨年完成したという「瀋陽市都市企画展示館」。
これまでの都市計画の発展をたどっていくと、未来図を描くテニスコート三面分もの大ジオラマが現れる。10年後くらいには、すっかりリニューアルされていることを想像すると、中国の持つ底力は、まだまだ目が離せない。

伊与部年男議員(北区)が急逝
会派そして札幌市議会の最長老議員であり、昨年4月の選挙で連続10回の当選を果たした伊与部さんが、1月31日に急性心不全で亡くなりました。1月7日に、お連れ合いのキミエさんを亡くしたばかりでしたが、ご自宅の改修や「議会だより」発行の準備など、時折電話で元気な声を聞き、もうすぐ「いよべ節」全開か.と期待していた矢先の急逝でした。
会派控室の一番奥の席から、相談役として、時には厳しく私たち後輩議員を育てていただいた姿はなく、机上に飾られた花が見守ってくれています。
心からご冥福をお祈りします。

2015年9月10日木曜日

市議会リポート「薫風」第44号から


『地方創生を支える『地域と『人
転換期のまちづくりへ、秋元市政が始動
4月12日に行われた統一自治体選挙を経て、議会・市長ともに5月2日から新しい任期となりました。5月18日の臨時議会で鈴木健雄議長(自民党)恩村一郎副議長(民主党・市民連合)を選出し、6月24日に召集された第2回定例市議会で、秋元克広新市長から施政方針が示され、合わせて公約実現への一歩となる肉付け(補正)予算が提案されて、秋元市政が本格的にスタートしました。
私は6月29日、会派を代表して、市政の基本方針に関わる6点を含め9項目について質問しました。

地方創生戦略とは何か
国は昨年11月、少子高齢化の進行と人口減少に対応するため「まち・ひと・しごと創生法」制定し、地方自治体に対し、今年度内に地方版「人口ビジョン」「総合戦略」を策定するよう求めています。
しかし、地方の課題の解決を地方の手にゆだねるとしながら、市町村は国及び都道府県の「総合戦略」を勘案することとされ、交付金の配分は国が決定権を持っておりその基準も明らかにされていないなど、その手法は極めて中央集権的であり、責任だけを地方に丸投げするものであるとの批判が出されています。
そもそも、地方都市の人口減少と高齢化は70年代から始まっており、人口減少が続いても住む人々はその地に生き続けているという事実から目をそらすことは許されません。
札幌市では既に、人口減少社会と超高齢社会を見据えて、2年間にわたる議論を経た上で「札幌市まちづくり戦略ビジョン」を策定しており、「創生法」に右往左往することなく、「ビジョン」の方向性に沿って「(仮称)札幌未来創生プラン」の策定を進めることになります。

代表質問に立ち、秋元新市長の基本姿勢を問う
札幌の未来を占う4年に
大きな転換期にあるこれからのまちづくりは、引き続き厳しい財政状況の中にあって、予想される困難な課題にしっかりと向き合い、事業の取捨選択はもちろん、上手に小さくして質を高めるような「新たな創造」への知恵も絞る必要があります。
一斉に更新時期を迎える公共施設や、冬季五輪招致を見据えたスポーツ施設、地域の交流拠点の計画的な整備が求められるのと同時に、人口減少時代の中にあっても、国内外から多くの人が集まり活発に活動する魅力的な街であり続けることが求められます。
秋元市長と市政の課題について意見交換
秋元市長と市政の課題について意見交換
秋元市長は、そのためには「市民感覚」を大切にした行政運営を進めることが重要であり、「時間の許す限り地域に出向き、対話の機会を設けていくとともに、職員にも市民の声をしっかりと聴くことを徹底する」と、上田市政12年の中で培われた『市民自治』の理念をしっかりと引き継いでいく決意を明らかにしました。
年内に策定される新しい中期実施計画「(仮称)札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン」は、10年後、20年後の未来を見通し、その土台となるものにして行かなければなりません。



北海道との連携強化
上田市政の時代、その政治手法の違いや経済界の思惑から、高橋はるみ道政との折り合いの悪さを指摘され続けました。長年、道州制や大都市制度の在り方などについての議論が続けられてきましたが、私たちの願いである「地域主権改革」へと更に歩みを進めていかなければなりません。
石狩圏の自治体間の広域連携や旭川市、帯広市、釧路市、函館市など中核市との協力関係を積極的に進めた上田市政に対し、「何もしない知事」として道内自治体の首長からの批判も多かった高橋道政。ようやく軌道修正に踏み切った感があります。

秋元市長は、施政方針の中で「道都として北海道活性化の推進エンジンの役割を果たしていく」としており、今後、住民サービスの充実や行政の効率化の観点はもちろん。経済、雇用、子育てなど直面する課題について、中・長期的な視点での政策形成につなげていくことが求められます。
丘珠空港から直行便で北九州市を訪問

新たな教育委員会制度
滋賀県大津市におけるいじめ事件がきっかけとなり、いじめ等の問題への対応の迅速化や責任体制の明確化、首長との連携強化を目的として法律が改正され、今年4月から新しい教育委員会制度に移行しました。
新制度では、教育委員長と教育長を一本化して、市長が教育長を直接任命すること、市長と教育委員会が、教育行政の大綱や重点施策について協議調整を行う場として、市長が主宰する統合教育会議の設置が定められています。
旧制度においても、国旗・国歌の強制や特定の教科書採択など、首長の過剰な介入が問題となった例があり、文教族と呼ばれる国会議員の政治的圧力が取りざたされるなど、市長の教育政策への関与が大きくなり、市長が変わるたびに教育政策が変わるのではないかとの懸念が消えません。
札幌市の教育委員会はこれまで、それぞれの委員の立場と見識のもと、公正かつ活発な議論によって市民の負託に応えてきました。
秋元市長のもと、引き続き教育の中立性、継続性、安定性を確保し、教育委員会の独立性が尊重され、子供、保護者、地域住民、教員など多様な声が反映されるよう、取り組みを進めます。

若者・女性の雇用対策
平均賃金は低下を続け、非正規雇用の割合は増加し、労働基準法を無視するブラック企業と呼ばれる存在が問題になるなど、雇用情勢は改善に向かっているとはいえ、多くの労働者は景気回復の実感を持てないのが現実です。
札幌市は昨年度から、新卒の未就職者を正社員に結び付けるための「フレッシュスタート塾」を行っていますが、北海道では新規学卒者の離職率が高く、就職後3年以内の離職率は、大卒で38.2%、高卒では50.5%にもなっています。
職場定着を高めることは、本人、企業さらには社会全体にとっても重要であり、就職率を高めるためのきめ細やかな支援と共に、職業観の涵養など研修内容の充実が求められます。
また、札幌市は政令市の中でも女性の有業率が低く、特に20歳から39歳までの未就学児を抱える女性では、37.4%と、政令市平均の44.4%を大きく下回っており、就職を希望しながらもかなえられない女性が多い現実があります。
子育て女性の多くは短時間就労を希望し、企業はフルタイムの採用を求めるといったミスマッチや、再就職への不安の解消など、子育て女性のニーズに合わせた取り組みが必要とされています。
秋元市長も選挙戦の中で訴えたように、「女性の結婚、妊娠、出産などが働くことの障害にならない社会をつくる」ことは、すべての女性の切実な願いであり、私たちが目指す理想でもあります。

手話条例の制定を
障害者を取り巻く環境は近年大きく変化し、2014年1月に「障がい者権利条約」が批准され、来年4月1日には「障がい者差別解消法」が施行されます。この法律は、国や地方公共団体などの行政機関や民間事業者に対して、障害を理由とする差別の禁止や、社会的障壁いわゆる「バリア」の除去についての取り組みを義務付けています。
このように共生社会実現に向けた取り組みが進められる中、手話を言語として位置づけ普及を目指す「手話言語条例」を制定する自治体が増えてきています。
全国初の条例は、1310月に鳥取県で施行され、隣の石狩市では道内初、全国の市町村でも初となる「手話に関する基本条例」が14年4月1日に施行されるなど、手話など障がい者のコミュニケーションを支援・促進するための条例制定は、3県15市町村に広がっています。
札幌市議会をはじめ全国の自治体で「(仮称)手話言語法の制定を求める意見書」が可決されていますが、国の法制化は遅々として進みません。条例の制定に向けて当事者の皆さんと共に検討を進めるとともに、障がい者の権利に基づいた「完全参加と平等」を目指し、一歩ずつ歩んでいきます。

地域コミュニティの活性化
市内には2209の町内会・自治会があり、まちづくりの様々な分野で欠かすことのできない活動主体として、地域コミュニティの中核を担っています。
しかし、町内会の加入世帯はここ数年約3000世帯ずつ増加しているものの、それを上回るペースで核家族化や単身世帯が増加することによって加入率が年々低下し、2015年1月時点では、かろうじて70%を維持しているのが現状です。
また、地域での取り組み課題が増える中で、高齢化や地域のつながりの希薄化などによって、担い手不足が深刻になっています。
今後ますます多様化、複雑化する社会を支える基礎となる地域コミュニティを活性化するためには、不動産業と連携して、アパートなど賃貸共同住宅入居者の加入促進を図るとともに、環境、福祉、子育て支援などを通して、地域で幅広く活動するボランティア団体やNPO、企業を含め、昼間の地域住民ともいえる人々が、それぞれ得意とする分野で力を発揮しながら、お互いに協力し合う関係を創ることが重要になってきているのではないでしょうか。

一票差で否決
安全保障関連法案の廃案を求める意見書
安倍強権政治にNOを
第二回定例会最終日の7月17日、民主党や共産党などで共同提出した意見書案は、残念ながら自民党、公明党の反対により否決されました。会派を代表して峯廻幹事長が、「戦後70年もの間、憲法9条にもとづき『集団的自衛権は行使できない』としてきた歴代内閣の憲法解釈を、時の内閣の一存で勝手に変更することは断じて認められない」として要旨以下の討論を行いました。


●武力行使の新3要件は、1972年の政府見解と照らし合わせても、真逆の結論を導き出しており、「最終的には時の政府が判断する」のであれば、全く歯止めにはならない。
●国民の理解を得ると言いながら抽象的な答弁に終始しており、法案そのものの危険性や曖昧さが、明らかになってきている。
●衆議院での審議時間が100時間を超えたとしているが、1法案ではわずかに10時間に過ぎず、繰り返しの答弁が多く、審議の中断は100回に及ぶ。
●安全保障をめぐる国際環境の変化が、外交や個別的自衛権で対応する限度を越えていることの説明はなく、ただ「脅威」をあおっているに過ぎない。
●戦後日本は、大きな犠牲を出した先の大戦の反省にもとづき専守防衛を柱にした安全保障政策を構築してきた。それを数の力で踏みにじる暴挙は、立憲主義と民主主義を冒涜するものである。

今年も8.6ダイ・インに参加
決してあきらめない
国際政治に疎い独善的な思い込み。相手へのレッテル張り。マスコミ報道への介入。中国・韓国をことさら刺激する言動。近現代史に関する無知。世論に背を向ける頑な態度。
安倍チルドレンと称される若手議員の妄言・暴言は、このような「アベノリスク」とも称される強権的かつ挑発的な政治手法が生み出しているともいえます。
学者・文化人をはじめとして、大学生、高校生、子育て中の母親へと、「戦争法案」反対の声は大きく広がっています。
「日本を取り戻す」のではなく「民主主義を取り戻す」。正念場を迎えます。


新体制でのスタートです
民主党・市民連合は、改選前から2議席を減らし、21名でのスタートになりました。
建設委員会で福井駅再開発を視察
前期の2年間に引き続き議員会長を務めることになりました。「つなげる・つなぐ・つぎへ」―上田前市長の実質的な後継者として誕生した秋元新市長を、地域の皆さんと一緒に、全力で支えていきたいと決意を新たにしています。
新役員は以下の通りです。
 会 長              大嶋  薫(西 区)
 副会長              藤原 広昭(東 区)
  〃               三宅 由美(南 区)
  〃               桑原  透(清田区)
 幹事長              峯廻 紀昌(豊平区)
 副幹事長           村上 裕子(中央区)
 政審会長           長谷川 衛(中央区)
 副政審会長       林  清治(東 区)
   〃         中村  剛(西 区)
*副議長              恩村 一郎(清田区)